偏光サングラスという言葉はよく聞いてたのですが、仕組みがよくわかりませんでした。
調べれば調べるほど、偏向って面白いです。
光は電磁波で様々な特性を持っていますが、 その特性のひとつが偏光です。電磁場は進行方向と垂直に振動する横波です。
偏光とは光が持つ成分である電場と磁場が作り出すベクトルの方向性を示唆し、自然光ではこの向きがランダムに分布しており、この状態では無偏光といいます。ところがなんらかの光学作用を起こすことによって、ベクトルの向きが揃うことがあり、このとき光は偏光しているといいます。偏光は一般に楕円偏光ですが、直線偏光、円偏光もあります。
もっとも身近な例としては、水面に空の光が約57度で反射するとその光は完全偏光し、偏光サングラスをかけることにより水面での反射をカットすることができます。
このように偏光した光は偏光フィルタ(偏光板)によって光量をほとんどゼロにすることができます。偏光フィルタ(偏光膜)にはプリズムを使ったものやシート状のものが存在します。偏光フィルムは高分子材料を延伸して原子レベルで格子構造を作ることにより、光がそこを通ったときに偏光作用が起きます。
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偏光グラス・サングラスの偏光は、見た目はサングラスと同じですが、仕組みは全く異なります。通常のサングラスは着色されたガラスを用いることで、日光の量を軽減し、眼を守る仕組みで、元々瞳の薄い欧米人が強い日光から眼を保護するため、生まれてきたものです。
偏光レンズのツボは、スリット状になった偏光膜に、その秘密があります。レンズの中に偏光膜を挟み込むと、ある一定の方向からの光しか通さなくなります。これが偏光レンズの仕組みです。
カメラでよく用いられる偏光フィルターも同じ仕組みです。一定方向からの光しか通さないということは、乱反射して眩しい水面のぎらつきなどが、ずいぶん軽減されるということです。
偏光レンズは構造上、上下方向特に下方からの反射を押さえるような工夫がなされているため、釣りのように水面を凝視するレジャーには、最適です。一定方向のみというと、それ以外の角度はどうなってるのかと心配になる人もいるかもしれませんが、大抵はそういうことを意識しなくてもまったく問題ありません。使いこなしにコツなど必要なく、普通のサングラスと同じに考えればよいでしょう。
釣り用などの偏光サングラスでは、TALEXが流行してますが、これはTALEXの偏光レンズが特に性能がよいというわけでなく、真面目にちゃんと作られた製品だからです。
それまではへろへろのアセテートやポリカーボネイトの安いレンズに、玩具のような偏光フィルムを貼っただけのいい加減な偏光レンズが
多かったのですが、そのようなものしか使ったことのない人が、プラスチックレンズでもちゃんと光学的に精度を高められたTALEXのようなものを使ってみると「これはすごい!」となるわけです。
それに加え、ニッチなこだわり市場を狙った戦略眼も鋭いです。TAREXの売りは、ヨード系と呼ばれる手の込んだ方法で偏光膜を生産し、
フレームに入れると、レンズがたわむため必ず歪みが発生するのですが、それを手加工で修正します。いいものにはコストがかかりますのでTALEXも安くはありません。
光学製品というのは、設計のアイデアや工夫よりも、光学的精度が大事ですから、コスト=品質となります。
ですからTALEXならずとも、レイバンやオークリー、ジール、DNAなどは安くはないですが人気があるのです。
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